豊洲・オリンピック会場の問題

昨今、連日の様に報道される、「豊洲市場」「オリンピック"レガシー"会場」問題。

・豊洲問題として、
「地下空間」「地下水(土壌)汚染」「なぜソコにした?」のテーマにそって、
様々な "コメンテーター" が発言しています。
(メディアが用意した彼らは「本当に "専門家" なのか??」の疑問は、置いておいて・・・)

先ず、知って頂きたいのが、
"建設業許可もえてない、悪質リフォーム屋"がよくやる
"勝手に"「やっときましたから。」

なんて事は、公共建築において絶対に "ありえない" のです!!

「ちゃんと造らなかったから・・・」などと言うコメンテーター(専門家?)
「建築士であればわかっていたはず」「特殊条件下のノウハウが・・・」等いましたが、

公共・大型建築現場施工できる規模の受注会社が、
"何もわからず・ノウハウも無く、設計・施工" すると思いますか?

答えは、" No " です。

豊洲問題とは別として、

現場において、「あ~あ、こんなんでイイの?」なんて事に遭遇する事あります。
「出来立て良いケド、これじゃあモタないね。」「ここケチる?」なんて職人の声とともに
「設計そうなっているから、ヤルしかないね。」という言葉も。

しかし、" 設計 " が、ダメダメだったのでしょうか?
これも答えは、 " No " です。

一流は、一流ゆえんのものがあります。わかっている事は、わかっている事として
信頼と自らのプライドとして、" ちゃんとお施主様に伝える " 事はします。
しかし、大抵の場合は、
お施主様の様々な条件・要件により"設計変更"がなされる事も事実です。

又、お施主様の設計変更の要望が、
第三者の、" にわか専門家 " のアドバイスから発せられた要件の事が多い様に感じます。

設計士について、一般の方の多くは、
「一級建築士」が最高なもので、" 設計のプロ " と思われがちですが、
「全ての建築に精通した、設計のプロ」ではない事を知って下さい。
(中には、実際に " 建てた事のない "、免許だけの一級建築士もいます。専門家?)

「在来木造の・・・」「2×4の・・・」「鉄骨造の・・・」「構造の・・・」他
おのおの、専門別であり、「その道のプロの "設計職人"」がいるのです。

「一級建築士であれば、どんな建築物でも設計できるわけではない。」のです。
一流大手のゼネコンには、この "設計職人" が各専門分野別・多数在籍しているのです。

更には、
設計士には、" 芸術家設計士 " と" 設計職人" の2タイプに分かれている事も事実です。
前士は、ビジュアルに優れ、「作品」としてデザインし名声を得、
(小規模は、自ら製図したとしても)大抵の大型建造物の場合は、
施工図面詳細は、" 設計職人にゆだねる" かたちが主流となります。

限定的な事は、言えませんが、
何となく、豊洲の問題であり、遡れば、国立競技場のデザイン変更・費用問題、
「問題がどこにあるのか」が、一般の方にも、見えてくるのではないかと思います。

とかく、「建築業界は・・・」とか「ゼネコンは・・・」と
批判の矛先を向けられる事も多いのですが、
" 本当のところ "を皆さんが想像して頂きたいと思います。

・レガシー問題
場所がどこか。とか、選手にとって・・・とか。は分かりませんが、
「0,000億円が、000億円に・・・」「何なんだ!!」「癒着!?」「ぼったくられてる!?」
等の報道を耳にします。

建築業界が、" ぼったくって " いるのでしょうか?
「設計図」があがり「仕様書」があがり、「単価」積算が行われ、
「概算見積り」又は、「正式お見積り書」となる上で、
確かに、「内装資材グレード」によって総額は、変動するにせよ、
根本構造資材の単価は、大きく変動するものではありません。

建築業界が、1tの鉄骨骨材を、" 倍 " の単価で計算する事は "ありえない" 事で、
「相場価格」が公表されている以上、そんな単価で積算すれば、
「受注」自体が喪失てしまう事他ならない。

こと、公共については、「人工」単価において、細かく49種類※職人分け・それぞれ
「公共工事設計労務単価」として設定されており、
「逆に、" ぼる " どころか・・・(その単価では(汗))」が現実なのです。
(あまりにも、民間(相場)かい離している時は、後に補てん制度もありますが・・・)
(延べ1,000人工で出来る仕事を、2,000人工と積算するなら、上記同様受注喪失)

その他、いろいろありますが、「あってないような価格(費用)」は、
建築業界において、「デザイン」位のものかも知れません。
「設計代」においては、建造物が大きくなればなるほど、製図業務物理的にも、
前記した"設計職人"を大量動員する必要があり、その人件費はかさみます。

今は、昭和40・50年代ではないのです。現代の、「信頼ある建設業会社」は、

「ヤバいことしない。」むしろ「出来ない」のが普通なのです。

0,000億から、000億円に下がった事は、
ゼネコンが、「ボロ儲け」しようとしていた事なのでしょうか?
「甘い見積りを提出」していた事なのでしょうか?

誰が悪いと言うつもりはありませんが、皆さんは、どのように想像しますか?

又、こんなに大きな現場と、個人の建築は、比較にはならないですが、
"みなさんが行う建築(お施主)現場"においても、
根本は変わらない事でもありますので、
「信頼できる○○」において、自らの基準を持つ事が必要不可欠かもしれません。

2016年11月01日